目の前の鉄板で焼いてくれるきんつばは熱々で香ばしくぎゅっと詰まった粒あんが魅力の和菓子です。実はきんつばという名前はある武器に似ていることから付けられたそうです。きんつばの名前の由来や歴史、作り方をご紹介します。

目次

刀のつばを模したきんつば

きんつばはもともと「金鍔」という漢字で表されます。鍔は刀のつばの部分を指し、まだ生まれたばかりのころのきんつばは刀のつばのように丸い形をしていたそうです。きんつばの歴史からすれば丸い形が本来の形のようです。

そのシンプルなおいしさは「流石武士の子 金鍔を 食べたがり」や「年季増しても食べたいものは 土手のきんつば、さつま芋」といったきんつばを詠った川柳が詠まれるほど江戸っ子の心をつかみ親しまれる和菓子だったようです。

きんつばの前身はぎんつば

実は金鍔が生まれる前、京都には銀鍔っというお菓子がありました。この銀鍔は餅の粉(上新粉)を溶いたものであんを包んで表面を焼き固めたお菓子でした。その名の通り見た目が銀に見えたことから銀鍔と呼ばれたそうです。

それが東京に伝わり、餅の粉を小麦粉に変えて作ったところ焼き色が付いて金色に見えたこと、金の方が縁起がよいということなどから金鍔(きんつば)と名前が変わったと言われています。

いろいろなきんつば

きんつばは寒天で固めたつぶあんのものが一般的ですがお店によって様々にアレンジされています。栗の甘露煮が丸ごと入った栗きんつば、黒ごまが入ったあんのごまきんつば。抹茶のあんを使った抹茶きんつばは生地にも抹茶を溶かした抹茶尽くしのものも。桜の季節には白あんに桜の風味を付けた桜きんつばが見られます。

季節を和菓子で表すなんて四季がある日本の和菓子職人の粋な計らいですね。

きんつばの作り方

【材料】約10個分
粒あん 400g
粉寒天 2g
水 100㏄
上白糖 5g
グラニュー糖 25g
生地
薄力粉 25g
白玉粉 6g
水 40㏄
サラダ油 適量

【準備】
ホットプレートを準備する。

【作り方】
1.鍋に水と粉寒天を入れて火にかけ、木べらで混ぜながら粉寒天を完全に溶かし、グラニュー糖を入れて木べらで混ぜながら溶かして完全に沸騰させる。
2.粒あんを入れて静かに混ぜ、煮詰める。煮詰め加減は木べらで鍋底をこすると見えるくらいのとろみ。
3.水でさっとぬらした型に2を入れて表面をヘラで平らにならし、おいてしっかり固める。
4.固まったら型から取り出し、4㎝角に切る(厚さは2㎝ほどがベスト)
5.ボウルに白玉粉を入れ、水の半量を加えてダマを溶きのばす。
6.別のボウルに薄力粉と上白糖を入れてよく混ぜあわせる。
7.6に5を加え、粘りを出すように泡立て器で手早く混ぜる。
8.泡立て器を持ち上げると、リボン状でとろっと落ちるくらいの固さにする。固い場合は残りの水を入れて調整する。15分ほど置いて生地をなじませる。
9.ホットプレートを180℃に温め、キッチンペーパーでサラダ油を薄く広げる。あんの一面に生地を薄く付け、ホットプレートに乗せる。
10.皮をつけた面に焼き色をつけないように注意しながら残りの麺も生地を付けながら焼く。

【ポイント】
焦げてしまうとおいしくありません。あくまで生地が固まる程度です。生地が硬すぎるとぼてっと厚くついて食感が悪くなります。生地の付けすぎも端に生地がたまって見栄えがよくありません。