小さく淡い色合いのらくがんは繊細な形で口に入れるとすっと溶けるそのはかなさは日本の和菓子ならではではないでしょうか。でもらくがんって何から作られているのか、口に入れるとすっとなくなるのにどうやって固まっているのか気になりますよね。今回はらくがんの世界をご案内します。
目次
らくがんとは?
らくがんは米粉などの穀物の粉に水あめや砂糖、ほんの少しの水を混ぜて型に入れて固め、乾燥させてものをいいます。材料だけをみるとおおよそ固まりそうな感じはしませんが、穀物の粉にはでんぷんが含まれていて、それに水が加わることでほんの少しですがつなぎになります。
固まる前のらくがんはさらさらしたほんのすこし湿った粉のような状態ですがこれを手早く木型につめてしっかり押すと型が取れます。これをしばらく乾燥させると落雁が出来上がります。乾燥することで口に入れるとほろっと崩れて溶ける不思議な食感が生まれます。
発想としては子供のころの砂遊びに似ていて、湿った砂を型に詰めてひっくり返すだけで形ができます。そのまま乾燥すると少し触れるだけで崩れてしまうところがらくがんと似ています。
らくがんに使われる材料
らくがんを作るときに欠かせない材料に穀物の粉があります。主に使われるのが寒梅粉です。これはもち米を蒸して餅を作り、乾燥させて粉にします。それを細かいふるいでふるったものが寒梅粉です。梅も入っていないのになぜ寒梅粉というか。今では製粉所で一年中作られていますがもとは梅の花が咲く寒い時期に粉が作られたことから由来します。
ほかにも寒梅粉よりも粒子が粗いみじん粉や麦から作られるはったい粉など原料や粒子の粗さの粉を使い分けることで味や口どけに変化を加えます。
らくがんの色
らくがんはどれもやわらかなパステルカラーです。ベースの粉が白いのでそこに入れる色素が程良くやわらかい色を生み出します。色粉を使って着色するほかに、抹茶や栗の粉などを使って色と風味を付けることもあります。
最近だと少量で色と風味を付けることができるエキスが出てきていることもあり、コーヒーやブルーベリーなどの洋風のらくがんも販売されているようです。
繊細ならくがんの木型
らくがんを作るのに欠かせないのが木型です。繊細な細工を施したらくがん型はひとつひとつ職人の手によって掘られ、和菓子屋さんでは代々使い継がれていくものです。細長い棒状の木型には同じ形のくぼみがいくつも付いていてここにらくがんを詰めていきます。しっかり詰めて固まったら返して板の上に取りだします。
らくがんの型には陶器でできたものもあります。こちらは3㎝ほどの小さな型でひとつひとつバラになっています。
木型は高価で他の用途にはなかなか使えないので自宅でらくがんを作るときに重宝するのがチョコレート型です。プラスチックでできたチョコレート型は比較的安価で洗うことができお手入れも簡単です。たくさんの形があるのでかわいらしいらくがんを作ることができます。
らくがんの作り方
【材料】
粉砂糖…100g
寒梅粉…10g
水…5ml
抹茶、ココアなどお好みで…3g
【作り方】
1.粉砂糖とココアなど好みのパウダーをボウルに入れてしっかり混ぜる。
2.水を入れて全体に行きわたるように混ぜる。
3.寒梅粉を入れて手早くまんべんなく混ぜ、ふるいに指で押し付けるようにしてふるう。(寒梅粉が入ると急に固まって乾燥しやすくなるので手早く行う)
4.好みの型に入れて押し固め、裏反して静かに型から外し、ひと晩乾燥させる。