氷餅とは読んで字のごとく、お餅を凍らせて(正確には自然に凍って)作るのですが、出来上がった氷餅はそのまま食べることができます。氷餅はそのまま食べるだけでなくいろいろな活用法があります。今回はシンプルながら奥深い、氷餅の作り方とおいしい食べ方についてご紹介します。

寒い地方で作られる氷餅

氷餅は東北地方から信州(長野)にかけて作られる、保存食です。長年この地域で作られる理由はその作り方にあると言えます。

まずはお餅をつくことから始まりますが、昔はもちろん杵と臼でついていました。機械化が進んだ現在でも氷餅用のお餅をつくときの仕上げには杵と臼を使います。このコンビでお餅を付く方がしっかり水分が入るといいます。ついたお餅を粉に取り、板状に延ばして幅の細い切り餅のようにカットします。この餅を和紙でひとつひとつ包み、ぶら下げられるように藁で数珠つなぎのように縛ってつなげます。

こうした餅を2昼夜冷水に浸けてしっかり水分を含ませます。これを1~2カ月ぶら下げて干して氷餅の完成です。氷点下になる夜一度凍った餅は日中の温かさで溶けます。また夜は凍り、昼は溶ける…これを繰り返すことで氷餅が出来上がります。

夜寒さが厳しい東北地方や信州で作られる理由はここにあります。

保存食や非常食として重宝

できあがった氷餅は白く、水分が抜けているため軽くなっています。作る工程でまずたっぷりと水を含ませてから凍らせ、溶かし、を繰り返すことでお餅の中にたくさんの空洞ができ、そのまま食べられるほど軽い食感になっています。普通のお餅は加熱してたべますが氷餅の良さはそのまま食べることができるところ。

この手軽さで登山などの時の携帯食としても重宝されます。水分が少ない保存性の良さから非常食として常備することでそのまま食べたり加工したりするのにも便利です。

氷餅の食べ方いろいろ

氷餅はそのまま食べるほかにさまざまな食べ方ができます。水に3~4分漬けた氷餅を手でギュッと絞って水分を抜き、ほぐして椀に入れて熱湯を注げばとろりとしたなめらかなお粥のようになります。これにに小豆をいれたり砂糖で味を付けて食べます。

また、同じ方法でお湯を増やして赤ちゃんの食事としても使えます。毎回お粥を炊いて裏ごす手間が省け、月齢が進むにつれてお湯の量を少なくしていけば濃度が変えられるのもうれしいポイントです。

水分を吸わせてほぐした氷餅をレンジで3~4分。これをはしでかき混ぜると餅状になります。普通の餅よりやわらかく、のど越しのよい餅はきな粉やあんこを付けておいしく食べられます。

また、乾燥したままの氷餅をおろし金などでおろしてフレーク状にしてぎゅうひで作ったまんじゅうなどの表面にまぶせばきらきらとした可愛らしい見た目になります。

氷餅の作り方

【材料】


和紙
ひも

【作り方】
1.餅を和紙で包みます。サイドは包まず筒状の和紙の中に餅が入るイメージで包みます。
2.これをひもでつなげるように縛ります。
3.水を用意し、全体をしっかり付けて2晩置きます。
4.水を切って軒先などに吊るします。そのまま1~2カ月乾燥させれば出来上がりです。

氷餅をおいしく作るポイントは何と言っても寒さです。冬の一番寒い1月~3月のあいだに作りましょう。