みなさんは吹雪まんじゅうというおまんじゅうをご存知でしょうか。聞いたことがない方も、実際のおまんじゅうを見ればきっと思い出すと思います。今回は冬の景色に見立てた和菓子、吹雪まんじゅうの歴史と作り方をご紹介します。

目次

素朴なおいしさ吹雪まんじゅう

白い生地であえて中のあんが見えるように包んで蒸すと出来上がるのが吹雪まんじゅうです。このおまんじゅうは冬の雪山などで雪から岩や土が顔を出すことを表現しています。吹雪の中に岩がのぞく様子が目に浮かびますね。

お店によってあんの見え方(皮の薄さ)などはさまざまです。白い生地から黒いあんがほんのり透けるものから雪メインというより岩に少し粉雪が積もってきた程度のほとんど黒いものまで様々です。

たくさんの呼ばれ方がある吹雪まんじゅう

吹雪まんじゅうと聞いてすぐに思い浮かぶ方もいれば、どんなおまんじゅうか聞いたことがない、という方がいると思います。

実は吹雪まんじゅうは地方によって呼び方が様々です。そのまだらにあんが透けた見た目から「薄皮まんじゅう」、その素朴な味わいから「田舎まんじゅう」、または皮が破れそうなことから「やぶれまんじゅう」なんて呼ばれ方をすることもあります。

あんの包み方に特徴あり

通常、おまんじゅうを包む場合は三つ種(みつだね)と呼ばれる割合で包むのが一般的でこの場合昼つは生地:あんが1:2です。合計して3になるので三つ種ですがまず生地よりあんの量が倍多いのに驚かれる方も多いでしょう。

しかし、これが吹雪まんじゅうになると四つ種、つまり生地:あんが1:3になります。圧倒的な多さのあんを少ない生地で包むことであのような薄くあんが透けるような見た目に仕上がるのです。

あんを味わう吹雪まんじゅう

さきほどご説明したとおり、あんの割合が他のおまんじゅうに比べて多いのが吹雪まんじゅうです。中のあんは主につぶあんで、そのしっかりした食感でとても満足感があります。皮を味わうおまんじゅうもありますが、どちらかといえば吹雪まんじゅうはシンプルな薄い皮に包まれたたっぷりの粒あんを味わう素朴なお菓子といえそうです。

吹雪まんじゅうの作り方

【材料】
大和芋…30g
上白糖…25g
浮き粉…15g
薄力粉…15g
イスパタ…1g
粒あん…320g

【作り方】
1.大和芋は皮をむいて目の細かいおろし金で軽く円を描くようにすりおろします。
2.ボウルに上白糖、浮き粉、薄力粉、イスパタを入れてよく混ぜます。中央にすりおろした大和芋を加えて芋の片側を持って内側に折りたたむように粉を混ぜ込みます。耳たぶくらいの固さになったら捏ね上がり。
3.生地を片栗粉に取りって軽く折りたたみ、8gに分割します。小豆粒餡は32gに分割しておきます。
4.生地を手の上で薄く延ばして餡玉を乗せて包みます。皮が少ないので破らないように注意しましょう。
5.蒸気の上がった蒸し器に入れて霧を吹き、12分程蒸して出来上がりです。

【ポイント】
浮き粉は小麦粉のでんぷんを取り除いた粉です。浮き粉を入れることによって皮が薄い部分が透ける効果があります。皮が少ないので包むとき破れないように注意しましょう。

イスパタはインスタントパウダーの略で和菓子で使う膨張剤です。材料専門店で販売されています。ふくらます効果のほかにイスパタ中のミョウバンの成分が漂泊効果を持つことで生地が白くあがる効果もあります。