和菓子のかわいい名前とは
和菓子には、古来より菓子名をつける慣習がありました。一般的には和歌などをヒントにして、雅な菓子名をつけていました。しかし、近年は産地に密着した商品と名前や、今までには無いかわいい名前の和菓子も登場しています。また、和菓子の名称や、和菓子で使う材料をペットの名前にすることも流行しています。例えば、「もなか」「あんこ」「きなこ」「あられ」「あずき」「くるみ」「むぎ」など、響きがかわいいと和風の名前が人気になっているようです。昔から日本人に親しまれてきた和菓子の名前ですが、日本犬に限らずチワワやプードルといった外国犬にも、和風の名前をつけているようです。ちょっと不釣り合いに思える大型犬にも和菓子の名前がついていて、そんなミスマッチがお洒落な響きなのかもしれません。
かわいい名前の和菓子をご紹介
・『三海堂』の「はるほのか」
とても愛らしい名前です。『三海堂』は石川県加賀にある和菓子店で、明治38年創業の老舗の和菓子店になります。この「はるほのか」は干菓子になり、桜型をしたピンクの最中の中に、沢山の春を感じさせる干菓子が詰まっています。蝶や桜、さわらび、木の葉など、開けた瞬間に「かわいい」が出てしまう和菓子です。和菓子には一緒に辻占も入っています。辻占とは万葉集などの古典にも登場する日本の占いで、「はるほのか」には小さなおみくじが入っています。実はこの「はるほのか」は、季節ごとのバージョンもあるんです。「なつきらり」「あきゆらら」「ふゆふわり」。この4つのバージョンは、その季節にしか手に入れることが出来ません。どの季節の名前もかわいい和菓子です。
・『浪越軒』の「てづくりどうぶつえん」
名古屋の『浪越軒』は、昭和2年創業の和菓子店です。10種類の動物をモチーフにした、かわいいお饅頭があります。ひと口サイズで、こし餡、チョコ餡、苺餡と、お子様にも喜んでもらえそうなお饅頭になります。「てづくりどうぶつえん」の菓子名も、優しくてかわいい名前ですね。食べてしまうのが可哀想になるかわいい和菓子です。同じシリーズで「にゃんこまみれ」と、夏バージョンの「てづくりすいぞくかん」があります。「にゃんこまみれ」は、ねこ好きの人にはたまらない和菓子でしょう。どちらも同じく平仮名の名前です。平仮名だと温かみを感じてしまうのが、不思議です。
・『亀屋良長』の「まろん」と「ほのほの」
『亀屋良長』は京都の老舗和菓子店で、享和3年に創業を開始しています。現在の8代目とパティシエの藤田怜美さんがコラボして、若い世代にも和菓子を親しんでもらいたいというコンセプトで、新ブランド「Satomi Fujita by KAMEYA YOSHINAGA」を立ち上げました。その新感覚の和菓子が「まろん」です。平仮名表記が親しみ感があり、かわいい響きの名前です。その他にも、和菓子ではお馴染みの「桃山」(京都の地名に因んだ和菓子)をベースに、クリームチーズなどを練り込んだ和菓子が「ほのほの」。すごくかわいい名前です。ホッと癒されるような感じが伝わってきます。忙しい日常の中で、お茶を飲みながらお菓子をいただいて、ホッと出来る時間が思い浮かびます。