和菓子に使われる砂糖の発展

和菓子と砂糖は、切っても切れない密接な関係にあります。古代には果実を甘味として摂っていた日本人ですが、江戸時代になって和菓子の目覚ましい発展と共に、砂糖の生産拡大が見られました。当初は主に中国からの輸入に頼っていたため、砂糖は非常に貴重品でした。その頃の砂糖は、現代のような白い砂糖ではなく、黒砂糖だったと言います。日本で最初に砂糖の輸入を始めたのが、横浜の「増田屋嘉兵衛商店」でした。その後、和三盆の改良が進み、国産の砂糖として重宝されることになります。明治維新後の西洋文化の拡がりにより、白い砂糖がやっと輸入されるようになりました。高価とされていた砂糖も、庶民の手が届くことになります。その後オイルショックなどで一時砂糖が手に入りにくい時代はありましたが、精製技術の発達で現在へと繋がっていきます。

和菓子に使う砂糖の種類

和菓子に使う砂糖は、その用途によって使い分けられています。それぞれの砂糖の特性についてご説明していきます。

・白ザラ糖

蔗糖を結晶させた純度の高い砂糖です。ザラメ糖や白ザラメなどと呼ばれ、餡に使用することの多い砂糖です。サラリとした味に仕上がります。

・上白糖

一般家庭で使用されている砂糖です。水分と転化糖を含んでいます。蒸し菓子や焼き菓子、餅類の和菓子にも使われます。

・和三盆糖

落雁などに使用されます。細かな粒子ですっと口溶けするのが特徴です。

・グラニュー糖

有平糖や飴に使われる純度の高い砂糖です。味に癖がなく溶けやすい。世界で最も使用量の多い砂糖です。

このように砂糖と言っても様々な種類があります。造る和菓子に一番適した砂糖が使われていることになります。砂糖の使い分けにまで拘る、和菓子の繊細さが伝わって来ます。

和菓子にも使用される日本発祥の砂糖

日本独自の砂糖が和三盆です。和菓子の大きな発展の手助けをしたのも和三盆と言われています。盆の上で砂糖を3度研ぐことから、和三盆と言われたようです。しかし、現在は5回以上研ぐことが多いようですね。ここで言われる「研ぐ」というのは和三盆の精製の方法で、糖蜜を抜くために水を使い、和三盆糖を練っていく工程を言います。「研ぎ」の作業は熟練した職人さんが、気温や湿度、砂糖の性質に合わせて微調整していくそうです。ここに職人技があります。和三盆の材料は、竹糖(ちくとう)と言って、砂糖黍の種類になり、地元では細黍(ほそきび)とも呼ばれています。イネ科「シネンセ種」で温帯での生育に適しています。一般的な砂糖黍より細く効率が悪いことから、当初は竹糖を生産していたのに、現在は絶えてしまった地域が数多くあります。そんな中でも現在も変わらず生産しているのが、徳島県と香川県です。徳島県生産の和三盆を「阿波和三盆糖」と言い、香川県生産の和三盆を「讃岐和三盆糖」と呼んでいます。この一帯は水に乏しい土壌で、稲作には適していませんでした。そこで竹糖を持ち込んだところ、土壌や気候が栽培に適したということでした。和三盆の大きな特徴は、伝統的な製法で造られていることです。機械に頼らず手間暇かけた製法でつくられた和三盆は、現在は和菓子の高級材料として使われています。