主に茶道の場で使われる菓子器の材料の一つにへぎというものがありますが、これはどんな形の器に使われているのでしょうか。この記事ではへぎを使った器の使い方についてご説明いたします。

目次

どんな材料なのか

へぎは経木とも呼ばれ、スギやヒノキ・マツなどの木材を紙のように薄く削ったもので、和菓子以外にも料理の包装としても使われています。
主な使い道としては、とても薄いため和菓子の下にシートのように敷かれることが多く、特に薯蕷饅頭というナガイモを使った蒸し饅頭の下に如かれることが多いです。

へぎが使われている器

主菓子としての器にへぎが使われている代表的なものは「縁高」と呼ばれる器です。これにはねりきりという生菓子が入っている場合が多いです。
これは濃茶の主菓子を盛る器として使われることが多く、折敷の縁を高くした形の器を五つほど重ねて一組として使われます。
縁高には真塗のほかに様々な塗り方が施されている場合もあり、透かしが入ったものや蒔絵を施したものもあり安価なものでも他の器に比べ少しお値段も張る器です。

縁高の使い方

これが少し複雑なもので、覚えてしまえば難しいものではないのですが、文字だけで見ると複雑なものに見えてしまうかもしれません。
まず正客の方が、上の段を持ち上げて一番下の段の中身を確かめましょう。持ち上げた暖を斜めにずらし、黒文字と呼ばれるようじを一本だけとり、先を落とすように七番したの縁高に入れます。
一番下の段だけを残して上の段は重ねたまま、次客の方に贈ります。その際重に複数お菓子が入っている場合は黒文字をお菓子の数だけ一番下の重に入れ、上の重を下座へまわして次にお菓子を取る人に送りましょう。
正客の方はお菓子を懐紙を使い取り、縁高を懐紙で拭きとり折った状態で黒文字を差して重に入れ下座へ贈ります。
これは次客も同様で、お菓子を取る時は手を添えて黒文字で取りましょう。
詰めの方は黒文字を縁高に落として蓋を取り、お菓子の付いた面が下につかないように裏返して下座に置きます。
お菓子を全て取った後は黒文字を重に戻して蓋をし、一番上に重ねましょう。
そして合図とともに皆さんでお菓子を頂きます。頂くときに詰めの方は縁高の向きを変えて亭主に返す必要があります。

これが縁高を扱った茶席の一般的な流れです。
実際に正式な場で縁高を使う機会は、お茶を嗜んでいる方でないと少ないですし、それでもなかなか使われません。
一般人ならよっぽどのことがない限り使うことがないでしょう。覚えることも大変ですので、必要でないのに無理して身に着ける必要はありません。

さいごに

へぎはこのような器にも使われており、上記で出てきた黒文字と呼ばれる菓子楊枝も木製のもので、実はこの名前はそのまま実在する木の名前で取られたものです。
昔から愛されている日本の伝統が今でも現役で使われているのは素晴らしいことですね。
このような作法はしっかり習っていないと身に着けることができませんので、あくまでこのような作法もあると知っていただければ全く問題ありません。
一般的な場で使うようなへぎは、和菓子の下に敷いてあるものなので、もし和菓子を出される場があり木製のシートがしいてあれば観察してみてください。