卵白はメレンゲにして使ったり、フィナンシェなどの生地に加えたり洋菓子作りによく登場する材料です。卵黄と卵白を分けてそれぞれの役割を生かした使い方をします。あまり知られていませんが、卵白は和菓子でも単品で使われることがあるんです。今回は卵白の役割や卵白を使った和菓子についてご紹介します。
目次
気泡性に優れた卵白
卵はLサイズのもので約60gの重さがあります。そのうち約40gが卵白、残りの約20gが卵黄になります。卵白は主にタンパク質と水分からなっています。一方卵黄はたんぱく質のほかに多くの脂質が含まれています。
卵白は泡立ちやすく、空気を抱え込む性質を持つため砂糖などを加えて泡立て、メレンゲなどに加工してお菓子作りに使われます。
水溶性卵白と濃厚卵白について
卵を割ると卵黄の周りにもりっと盛り上がった卵白があり、その周りにさらに水っぽいような卵白があるのがわかると思います。この盛り上がった部分を「濃厚卵白」、周りのさらっとした卵白のことを「水溶性卵白」といいます。
濃厚卵白も水溶性卵白も同じ卵白ですが、濃厚卵白は新鮮な卵にしかありません。卵の鮮度が落ちると濃厚卵白の部分が水溶性卵白に変化します。
お菓子を作る観点から言うとこのさらっとした水溶性卵白の方が都合がよいと言えます。水溶性卵白の方が泡立ちやすく、気泡を抱き込む力に優れているので良いメレンゲができやすいのです。
冷凍卵白の効果
カスタードクリームを作ったり、料理で卵黄だけ使って余った卵白はどうしていますか?他の料理に活用できればよいですが、実は卵白は冷凍保存ができます。使わない卵白は密閉容器かジップ付き袋に入れてそのまま冷凍し、使う時に溶かしてそのまま使うことができます。
冷凍された卵白は溶かすと水溶性卵白の状態になっていて泡立ちも抜群です。冷凍保存できるうえにお菓子作りに適した状態になっているのです。
一方で卵黄は冷凍することができません。正確には冷凍はできますが溶かしてももとと全く同じ状態には戻りません。冷凍するときには卵黄の20%の砂糖を混ぜてから冷凍します。
卵白を使った和菓子
卵白を使った和菓子で有名なものに泡雪羹があります。泡立てた卵白に寒天を入れて固めたものでその見た目の雪のような白さと口の中でほどけるような繊細さから雪に例えて泡雪羹と呼ばれます。
また、鹿児島を中心に九州で愛されているかるかんにもメレンゲか欠かせません。蒸すことでメレンゲの中の空気がよりふくらみ、ふんわりとした食感を生み出しています。卵白を使った白い生地を蒸すことで蒸し上がりも真っ白できれいな仕上がりです。
雪平(せっぺい)と呼ばれる柔らかいお餅のような生地にも卵白から作ったメレンゲが欠かせません。「平」はお餅をさし「雪 のように白いお餅」という意味です。雪平はぎゅうひに白あんとメレンゲを入れることでぎゅうひの腰を切ってさらにやわらかくふんわりとした餅に仕上がります。これも卵白の効果です。
白くふんわりとした卵白
卵白には生地を白く仕上げたり、空気を抱き込んだメレンゲにすることでふんわりさせる効果がありました。ぜひ卵白をうまく活用した和菓子に挑戦してみた下さい。