6月~7月になるとあゆ漁の解禁されます。京都でこの時期に合わせ昔から愛される和菓子が若あゆです。加茂川のあゆを模した可愛らしい見た目は京都に初夏を運んでくれます。今回は若あゆについてご紹介します。
目次
京都で愛される若あゆ
京都に住む人にとって夏の鱧(ハモ)と並んで愛されるのがあゆです。6月にあゆ漁が解禁されるとあゆ独特の苦みを楽しみつつ初夏の訪れを感じるものです。
そんな皆から愛されるあゆを和菓子で表現したのが若あゆです。お店によっては稚あゆや京あゆとも呼ばれています。なめらかな茶色の焼き色が付いた生地でぎゅうひを包んで目を焼きいれたその見た目はまさに川を自由に泳ぐあゆそのものです。
若あゆの生地のいろいろ
若あゆの生地はお店によって異なります。ひとつはお煎餅のようにパリッと固いタイプです。これは京都のお菓子、八橋をイメージするとよいでしょうか。この生地は焼きたては柔らかい生地でぎゅうひを包み、冷めると程良く固くなります。
もうひとつは調布の生地を使ったものです。調布とは昔の税のひとつで当時はお金と同じように貴重な布を税として納めていました。この手織りの巻布の調布に見立てて作られたお菓子が調布というわけです。卵、砂糖、小麦粉を混ぜて作られた生地を均一な焼き色で仕上げ、四角く切ったぎゅうひを包んだ姿が調布と似た見た目です。
調布の生地は非常にシンプルで、薄いどら焼きの皮のような印象です。若あゆ自体を調布と呼ぶこともあり、あゆの形の調布、といったとらえ方もあるようです。
地方によって中身がさまざま
地方によって中身が違うのも若あゆの面白いところです。本場京都をはじめ関西は主にぎゅうひを使いますが、関東ではあんを棒状にしたものを包むことが多いようです。
また、みそ文化の名古屋や岐阜では白あんにみそで風味を付けたみそあんを包んだ若あゆもあります。地域によって中身が違い、それぞれの店で生地も違う若あゆ。旅行先で若あゆを食べ比べるのも楽しそうです。
若あゆの作り方
【材料】8個分
卵…2個
砂糖…80g
はちみつ…大さじ1
みりん…小さじ1
水…カップ1/4
薄力粉…120g
重曹…小さじ1/4
コーンスターチ(または片栗粉)…適量
ぎゅうひ
白玉粉…50g
水…90ml
砂糖…70g
【作り方】
1.生地を作る。ボウルに卵を溶きほぐし、砂糖加えて泡立て器でよくすり混ぜて溶かす。
2.1にはちみつ、みりん、水を加えてその都度混ぜ合わせる。
3.2に薄力粉と重曹を合わせてふるったものを入れ、粉っぽさがなくなるまでよくすり混ぜる。なめらかに混ざったら、ラップをして冷蔵庫で30分間休ませる。
4.ぎゅうひをつくる。耐熱ボウルに白玉粉を入れ、水をいれてしっかりと水を含ませる。砂糖を入れて良く混ぜ合わせる。
5.ラップをして電子レンジで1分30秒加熱して、全体が均等になるようによく混ぜる。再びラップをかけて何度か同様に繰り返し、ぎゅうひが半透明になって粘りが出てくるまでよく混ぜる。
6.コーンスターチを茶こしでふるったまな板に、6をのせて上からもコーンスターチをふるう。粗熱を取って、10×12c程度の横長の長方形に形を整える。
7.6を縦8等分に切る。完全に冷めたら余分なコーンスターチをはって、使うまでラップをかぶせておく。
8.生地を焼いて成形する。ホットプレートを均一に温め、ペーパータオルにサラダ油をけ手のばし、10×12cm程度のだ円形に生地を流し入れ、表面にぷつぷつと泡ができてきたら裏反して30秒ほど焼いて取りだす。
9.カットしておいたぎゅうひを中に挟んで半分に折り、形を整えラップをかけ粗熱を取っておく。熱した金串で目とえら、尾に焼きを入れて完成です。