春の風物詩、草餅

春になると和菓子屋に並ぶ、深い緑色が鮮やかな草餅。爽やかな香りとほろ苦さが甘い粒あんとよく合う春の和菓子です。最近ではスーパーやコンビニでも売られるようになった草餅ですがせっかくの旬の季節は自宅で手作りの草餅を作ってみてはいかがでしょうか。

桃の節句や端午の節句に欠かせない草餅

3月3日の桃の節句や5月5日の端午の節句には欠かせない草餅ですが、そもそもなぜ草餅を食べる風習ができたのでしょうか。草餅の材料となるよもぎは殺菌作用があり、古くからやけどや切り傷の治療に用いられてきました。他にも魔除けや厄払いに使われてきたよもぎは、健やかな成長を願う子どもの日に用いられるようになったと言われています。
さらに根を地中深くまで生やし、摘んでも摘んでも新たに目を出すほど繁殖力が強いよもぎに子孫繁栄の願いを重ねて祝う和菓子になったのです。

アクが強いよもぎは下処理が肝心!

よもぎは3月~5月の旬の時期には川の土手や道端でも見かけることができます。葉の柔らかい若葉の部分は香りも高く草餅を作るのに最も適しています。手に入らなければ製菓材料店で売られている茹でて冷凍したものや乾燥したよもぎパウダーを使うと便利です。
たっぷりの湯を沸かして塩と重曹を入れ、摘んで良く洗ったよもぎを入れて10分程茹でます。重曹を入れて茹でることで繊維がほぐれてアクが抜け、色鮮やかになります。全体にくたっとしたらざるに上げ、しっかり水分を絞ってフードプロセッサーにかけるか刻んですり鉢ですります。
春にたくさん摘んだよもぎを下処理して冷凍しておけば一年中草餅を楽しむことができます。

香り爽やか 草餅の作り方

材料
よもぎ(茹でて刻んだもの)…20g
上新粉…150g
もち粉…50g
砂糖…大さじ1
水…130~140㏄
粒あん…240g
準備
蒸し器を用意する
粒あんを12等分する
作り方
1. ボウルに上新粉ともち粉、砂糖を入れて良く混ぜ、少しずつ水を入れながら耳たぶくらいの固さになるまでしっかりこねます。
2. 5~6等分して同じ大きさにちぎって平らにつぶしたものを蒸気が上がった蒸し器に並べて15分から20分蒸します。
3. 白かった生地が半透明になったら蒸し上がりです。やけどに気を付けながらボウルに移し、水を付けたすりこぎで付くようにしてまとめます。
4. よもぎを入れてさらに突き混ぜます。全体によもぎが混ざったら12等分して粒あんを包んで出来上がりです。

【ポイント】
砂糖を入れることでお餅が冷めても固くなりにくくなります。
蒸しあがったらすりこぎでしっかり突きましょう。こうすることで全体が均一になり、食感がよくなります。和菓子職人はこれを蒸しふきんに包んで熱いうちに手で行います。
上新粉を使うことで歯切れがよくなり、白玉粉を少し混ぜて餅のような粘りを加えます。

草餅の簡単アレンジ

草餅を小ぶりに仕上げて茶こしできな粉をふるったきな粉草餅は見た目にも可愛らしい仕上がりに。出来上がってから1~2日中に食べきるのがベストですが、お餅なのでどうしても固くなってしまいます。固くなった草餅は弱火で温めたフライパンで軽く焼き色が付くくらい炙ると餅が柔らかくなって温かい、ひと味違った味わいが楽しめます。

秋の風物詩、干し柿

日本で昔から愛されるドライフルーツといえば干し柿です。冬の寒い時期になると軒先に吊るされた柿が日に日に甘い匂いが増し食べ頃になるのを楽しみにしたものです。今回はそんな干し柿の作り方と干し柿のアレンジレシピをご紹介します。

柿が収穫できるのは主に秋。冬が近づく11月に入り風が冷たくなってきた頃が干し柿作りのベストシーズンです。まだ気温が高い秋ではうまく柿が乾かずに腐ってしまうこともあります。

東北など気温が低い地域では10月末頃から作られる地域もあるようですがやはり作り始まるポイントは風が冷たく乾燥してきた頃がよいでしょう。

干すことで甘くなる柿

柿はそのまま食べてもおいしい果物ですが、干すことで柿本来の糖度がギュッと凝縮してさらに甘さが増します。干し柿の糖度は40~70%にもなります。これの糖度は実に甘い和菓子の代表、練り羊羹と同じ程度の糖度なのです。羊羹は砂糖を加えた甘さですが干し柿は柿本来の優しいいやみのない甘さでより手べ安い天然のスイーツと言えます。

その昔砂糖が高価で手に入らなかった時代ははちみつなどとともに貴重な甘味だったと言います。

渋柿から甘い干し柿が生まれる理由

庭の柿が渋いときは干し柿にするといい、なんて話を聞いたことはありませんか。渋柿も干すことによっておいしい干し柿になるなら生でも甘い柿を干せばもっとおいしくなるのに、と思いますよね。もともと渋柿にはお茶などにも含まれるタンニンが水溶性の状態で多く含まれ、そのままでは渋みばかり感じてしまいます。しかし、渋柿を寒い場所で乾燥させることによって、脱渋反応と呼ばれるタンニンが水溶性から不溶性へと変化して甘くおいしい干し柿になります。

実は乾燥させる以外にも昔から行われている渋柿の渋を取り除く方法として、焼酎や湯に漬けたり、米や米ぬかにつけるなどという方法があります。

干し柿の作り方

【材料】
渋柿
ひも

【作り方】
1.柿の皮を剥きます。ヘタを残してその周りの皮をむき、次にヘタとは逆側からヘタに向かって剥いていきます。
2.60㎝ほどのひもを用意して両端にヘタをくくるように柿を縛ります。
3.沸騰した湯に柿を5秒ほど浸けます。こうすることで殺菌できかびにくくなります(茹ですぎは禁物です。ひもがビニールの場合は湯につけないように気をつけましょう)
4.軒下など雨に濡れないところに干します。柿同士が触れないようにひもの長さをずらします。触れたり雨にぬれるとかびてしまいます。
5.1週間程経って表面が乾いたら手で全体を破れないように揉みます。こうすると中まで均一に干すことができます。
6.好みにもよりますが2週間ほどから食べることができます。3週間頃が食べ頃ですがそのまま干し続けて干し始めから1カ月程経ったものは少し固くなりますが甘みがさらに増します。周りに糖分の白い粉が現れます。

干し柿をアレンジして楽しもう

干し柿をそのまま食べる以外にアレンジしてみましょう。干し柿を開くように包丁を入れ、中の種を取り除きます。くるみやピーカンナッツなど好みのナッツとクリームチーズを乗せてラップや巻きすでしっかり巻いて包丁でカットすればナッツの香ばしさが光るおつまみの出来上がりです。

ドライブルーツとチョコレートの相性は抜群で干し柿も例外ではありません。干し柿の表面に溶かしたホワイトチョコレートを半分ほどかけて好みでナッツをトッピングして一風変わったチョコレート菓子が出来上がります。バレンタインにもぴったりです。