栗きんとんといえばお正月に食べる黄色の栗きんとんを思い出す方も多いと思いますが和菓子の栗きんとんも素朴でとてもおいしいのをご存知でしょうか。素材の味をそのまま味わう繊細な栗きんとんをご紹介します。

岐阜県恵那が発祥の栗きんとん

岐阜県の南東部に位置する恵那市は栗の名産地として知られています。地元栽培農家で「土づくり」から管理され、栽培条件や出荷の条件をクリアできた数少ない栗だけが恵那山の名を載いた「超特選恵那栗」と名づけられる、まさに選ばれし栗。

そんな恵那で生まれた栗を使った銘菓が栗きんとんです。岐阜県で販売される栗きんとんは柄殴りを使われたものが多いですが恵那栗自体はとても貴重な栗のため、恵那以外の栗を使って作られることが多いようです。

おせちの栗きんとんと和菓子の栗きんとん

おせちの栗きんとんといえば鮮やかな黄色の栗が乗った甘いきんとんです。おせちの栗きんとんは「栗金団」と書きます。しかし栗きんとんという名前がついていても材料のほとんどはさつまいもなんです。さつまいもを黄色の天然色素クチナシで茹でてなめらかにつぶし、みりんや砂糖を入れて火にかけて練って粘りとつやを出します。栗を使うのは仕上げの栗の甘露煮だけなんです。

一方和菓子の栗きんとんは「栗金飩」と書きます。栗を蒸して(もしくは茹でて)中身だけを取り出し、なめらかに裏ごして砂糖を加えて火にかけ、茶巾に絞ります。形を栗に似せて作ることから「栗茶巾」とも呼ばれます。着色もせず、調味料も砂糖だけの栗きんとんは栗本来のおいしさを味わえる和菓子。秋の栗の収穫期のほんの数カ月だけ味わえる栗の香りや色、そのものです。

栗きんとんの作り方

【材料】
生栗…500g
グラニュー糖…150g

【作り方】
1.生栗は良く洗い、強火にかけた蒸し器で40分蒸します。
2.栗を熱いうちに半分に切って、中をスプーンでかき出します。
3.かき出した栗を器で裏ごします。
4.鍋に栗の半分とグラニュー糖を入て、弱火にかけて混ぜながらグラニュー糖を溶かします。
5.グラニュー糖が溶けてきてつやが出るようになったら残りの栗を入れて木べらでしっかり練ります。
6.適度に水分が飛び、手で握って形になるようになったら火からおろして粗熱を取ります。
7.乾いた布巾でひとつ45gくらいの餡を茶巾絞りにします。ふきんがなければラップで代用できます。

【ポイント】
栗は大きいものの方がくり抜く手間が省けます。蒸し器がなければ茹でても良いですが、茹でると栗が水分を吸ってべしゃっと水っぽくなってしまいます。ほっくりと仕上げるには蒸すのがベストです。

栗の食感を楽しみたいときは少し食感を残してつぶしてもよいでしょう。半分裏ごして、半分はあらつぶしにして混ぜると食感が楽しめます。栗は品種やランクによって甘みが違います。砂糖の量は好みで調整してください。

グラニュー糖が溶けにくいときは何度かに分けて入れ、しっかり溶かしましょう。栗の絞った栗をバーナーで軽く焦げ目をつけると香ばしさが出て栗のような見た目になります。バーナーがない場合はトースターか魚焼きグリルでほんの少し炙ります。くれぐれも焦がしすぎは注意です。