和菓子屋さんで買ったおまんじゅうはふんわりやわらかくて優しい食感が魅力です。実はその皮のふんわりの秘密は大和芋を使うことにあります。お菓子に大和芋はミスマッチな気がしますが大和芋のパワーを使って自宅でもふんわりおいしいまんじゅうを作ってみましょう。

祝い事にも使われる薯蕷饅頭

大和芋や山芋などの粘りがある芋のことを薯蕷(じょうよ)と呼びます。大和芋を使って作るまんじゅうを薯蕷まんじゅう(じょうよまんじゅう)といいます。大和芋や山芋は粘りが強く、すりおろすと多くの空気を含みます。その空気を抱き込む性質を使って生地を作って蒸すことでふんわりやわらかな生地に仕上がります。

薯蕷饅頭は紅白に色付けされお祝い事などに使うことも多く、高級な、上質なという意味も込めて上用饅頭と表記されることもあります。

薯蕷饅頭に使われる粒子の細かい上用粉

薯蕷饅頭に使われる粉は上用粉という粉です。上用粉は他の和菓子にはあまり使われることはありませんが上新粉よりきめの細かい種類の粉です。大和芋のふんわりとした食感を生かすために粒子が細かい粉を使うのです。もし手に入らない場合は上新粉で代用できます。

薯蕷饅頭はすりおろした芋に砂糖をあらかじめ混ぜて溶かしてから粉を混ぜます。粉の分量は芋の水分や天気・湿度などによって変わるため、正確な分量はその時によって異なります。粉が多く入るほど扱いやすくはなりますが食べた時に皮が硬くなってしまいます。

そのためシンプルな材料と生地の作り方に技術を要すため、和菓子職人の技量が試されると言われています。

薯蕷饅頭の作り方

【材料】
上用粉(または上新粉)…適量
大和芋(または山芋)…10g
砂糖…20g
こしあん…60g

【準備】
大和芋はアクを抜くために皮をむいてからしばらく酢水に浸けておきます。
蒸し器を準備します。
あん20g:生地10g

【作り方】
1.あんを20gに分けて丸めておきます。
2.酢水に浸けておいた大和芋を取り出し水分をよく拭き取ります。すり鉢ですりおろし、砂糖を2~3回に分けて入れその都度しっかり溶かします。
3.すり上がった芋をバットに広げた上用粉の上に取りだします。粉を付けては折り込むようにして混ぜ込んでいきます。
4.柔らかかった芋が耳たぶよりも少し柔らかい程度になったら良い状態です。
5.生地を3等分(約10g)にして丸めて置いたこしあんを包みます。
6.閉じ口を下にして蒸し器に並べ、表面に霧吹きで水をかけます。中火で1分程度蒸します。蒸しあがったらつや出しのためにうちわで風を当てます。

【ポイント】
上用粉は多めに用意します。捏ね上がりの見極めは難しいですが生地を勢いよく両手でちぎってポンっと高い音がすれば完成です。何度かチャレンジして見極めましょう。皮が割れないようにするには火加減を強くしすぎないことと表面に切りを吹きかけること。お祝いの席でも使われる薯蕷饅頭は皮割れ厳禁です。

仕上げにうちわであおぐことで表面につやが出てきれいな仕上がりになります。中に入れるあんは好みですが口どけがよいこしあんが一般的です。

大和芋が手に入らない場合は山芋でも代用できます。長いもだと水分が多いのであまり代用には向かないようです。