香ばしい焼き色としっとりとした口当たりが魅力のカステラは卵を使った濃厚な甘さとコクは和菓子の中でもリッチなお菓子の部類ではないでしょうか。それもそのはず、カステラはもともと日本ではないところで生まれたお菓子です。今回は人気の和菓子、カステラの歴史と自宅でもおいしくできる作り方をご紹介します。

カステラのルーツはスペイン

11世紀ころ、ビスコチョ(bizcocho)と呼ばれるお菓子のようなものがスペインで生まれました。ビス(biz)は二度、コチョ(cocho)は料理する・調理するという意味から、「二度焼く」と解釈でき、当時は2度焼くしっかりした固い生地のものだったようです。

現在で言う固いパンか乾パンといったところでしょうか。乾燥したビスコチョは保存性も良く、海軍の保存食としても重宝したと言います。

そのころはまだシンプルなものだったのが16世紀ころにポルトガルのマデイラ島に渡り、当時は薬ほど高価だった砂糖や卵を使って作られたものが現在のカステラに近いお菓子のようになったようです。その後15~16世紀にキリスト教の宣教師によって日本に伝わってきました。

もともとは修道院で焼かれていたカステラ

お菓子などを焼くには大きなかまど、現在で言うところのオーブンが必要です。16世紀ころには一般の家庭にかまどはなく、村々の女子修道院にしかありませんでした。このことから村の人々は材料を修道院に持ち込みかまどで焼いてもらっていたと思われます。

修道院で焼かれていたこともありビスコチョは次第にクリスマスや復活祭にかかせない宗教菓子となっていきました。また、卵や砂糖など滋養のある材料を使ったお菓子ということで病気のお見舞いに贈ったりもされたようです。

卵を泡立てることでふんわりしたカステラに

後ほど作り方をご紹介しますが、カステラのふんわりとした食感を生み出すのが卵です。その卵をしっかり泡立てることであのふんわりしたスポンジのような仕上がりになります。作られ始めた当初は卵を泡立てることをせず作っていたため、今のカステラのようにふんわりとはいかず目の詰まったお菓子でした。

その後、18世紀ころになって卵を卵黄と卵白に分けて卵白をしっかり泡立てる、いわゆるメレンゲのようなものを作って生地に混ぜてふんわりとしたお菓子に変化していきました。

カステラの作り方

【材料】
卵白M…8個分
卵黄M…10個分
強力粉…200g
砂糖…250g
蜂蜜…100g
ざらめ…30g
20×20㎝の型1台分

【作り方】
1.卵は卵黄と卵白に分けて卵白を大きめのボウルに入れてハンドミキサーで軽く泡立てて砂糖の1/4を入れてしっかりとしたメレンゲを作る。残りの砂糖も数回に分けて入れ、持ち上げた時に軽く角が寝るくらいにする。
2.別のボウルに卵黄をほぐし、1を3回に分けて入れその都度泡立て器で軽く混ぜる。温めた蜂蜜を入れてさっと混ぜる。
3.ふるった強力粉を入れてゴムべらで切るように底から大きく混ぜる。全体が混ざったらオーブンペーパーを入れた型に流し(ざらめを敷いておく)、160度に予熱したオーブンで1時間10分から20分焼く。
4.焼きあがったら型から取り出し、熱いうちに周りのオーブンペーパーをはがす。冷めてから好みの大きさにカットする。

 

鹿児島生まれのかるかん

鹿児島をはじめ、九州で昔から愛されるかるかんをご存知でしょうか。真っ白なその見た目が印象的なかるかんはふんわりとしたシンプルなおいしさが人気です。今回はかるかんについてご紹介します。

かるかんが生まれたのは九州・鹿児島です。その歴史は300年も昔にさかのぼります。漢字で書くと軽羹。この語源は「軽い羹」というところかた来ているのが有力です。羹とは本来中国の汁ものを指すことから、中国大陸から伝わったものとされています。

真っ白なかるかん

かるかんの特徴はその白さにあります。白さの理由は材料を見ればわかります。かるかんの主な材料は自然薯、砂糖、卵白、かるかん粉(米粉)とすべて白い材料を使います。例えばカステラは卵黄の黄色や焼くことによって蜂蜜や砂糖が焦げて茶色になりますがかるかんは白い材料を使って蒸して仕上げることで真っ白に仕上がります。

その独特の風味と白く凛とした姿は清廉潔白な「薩摩の心」が表されているともいわれます。

かるかん粉とは?

かるかんに使われる材料の中にかるかん粉というものがあります。かるかん粉はうるち米を水にさらしたのち、水を切って乾燥させてから粗めに挽いたものを指します。同じうるち米から作られている粉で有名なのが上新粉です。上新粉はかるかん粉と比べてかなり細かく挽かれています。

かるかん粉の名の通り、主にかるかんを作るときに使われる粉です。もしかるかん粉が手に入らなければ上新粉で代用することもできます。

かるかんに欠かせない自然薯

かるかんに欠かせない材料のひとつが自然薯です。自然薯とはヤマノイモ科のヤマノイモ属の、天然モノの別名がじねんじょ(自然薯)です。自然薯にはたんぱく質・ビタミン・ミネラルはもちろん消化酵素のアミラーゼも豊富で粘りが強く栄養価も高いスタミナ食材です。

この自然薯、実はとても高級品なんです。冬の自然薯が最高とされますが、自然薯のツルは他の枯れ木などにまぎれて探しにくいのも事実です。かるかんが生まれた鹿児島ではこの自然薯が育ちやすい環境だったこともかるかんが生まれた由来でもあります。

かるかんの作り方

【材料】16×8センチ1台分
上新粉(かるかん粉)…100
自然薯(山芋で代用するときは200g)…100g
自然薯は川絵尾向いて酢水(分量外)に浸けてあくを抜いておきます
グラニュー糖…50g
卵白…1個分

【作り方】

1.すり鉢に酢と水を入れ、自然薯を摩っていきます。摩り下ろしただけでふわふわになってます。さらに分量の水を入れてしっかり泡立てて空気を入れます。
2.メレンゲを作ります。砂糖を数回に分けて入れ、艶のあるしっかりしたメレンゲをつくります。
3.1にメレンゲを入れて泡を潰さないように均一に混ぜます。
4.3に上新粉を入れて全体を切るようにしっかり混ぜます。
5.型にオーブンペーパーを敷いて生地を流し、蒸気が上がった蒸し器で15分程蒸します。竹串を指してなにも付いてこなければ完成です。型から外し、自然に冷ましてから好みの大きさにカットして出来上がりです。

【ポイント】
メレンゲは一度に砂糖を入れるのではなく数回に分けて入れることでつやがあるしっかりとしたメレンゲができます。ボウルの水分や油分をしっかり拭いてから作業しましょう。