つるんとしたのど越しが魅力のくずきり。よく冷やして黒蜜をかければ夏にぴったりな和スイーツに。そんなくずきりの主な材料がくず粉です。今回はくずきりに欠かせないくず粉について詳しくご説明します。

くずの根から摂れるでんぷん、くず粉

くずは豆科の植物で、つる性の植物です。その葉は家畜の飼料、茎の繊維を使った葛布や工芸品に加工されます。では葛粉はどこからできるのか。でんぷんがたっぷり含まれているくずの根が原料となります。

カタクリの根からとれる片栗粉、トウモロコシから作られるコーンスターチと比べ、くず粉はとても高価。くず粉が高価な理由としてそのでんぷんの貴重さがあげられます。くずの根1Kgから約7~10gしか取ることができずその貴重さから昔は「白い金」と呼ばれたほどだそうです。

手間と時間をかけて作られるくず粉

白く上質なくず粉を作るには収穫期の寒い冬に山奥に自生しているくずの根を手に入れなければなりません。地中深く映えたくずの根は収穫もひと苦労。

収穫した根を叩いて繊維状にし、水を加えて良くもんで根に含まれるでんぷんを水に溶かし込みます。その水をそのまま置くことで重い不純物は一番底に、繊維などの軽い不純物は一番上の層にたまります。その2層に挟まれたきれいな部分のみ取り除き、再び真水を入れてかき混ぜ、きれいな部分だけ沈殿させることを繰り返し、乾燥させてやっとくず粉ができます。

くず粉の最高峰、吉野くず

奈良の吉野は有名なくず粉の産地。吉野はくず粉の製造期である冬はとても厳しい寒さに見舞われます。加えて純度の高い美しい地下水に恵まれているため大量の水を使って作るくず粉の製造中でも雑菌の繁殖が抑えられることから安定した質の良いくず粉が作られると言われています。

吉野地方で伝統的に行われる冬の地下水で葛を精製する工法を吉野晒し(よしのざらし)と呼びます。このくず粉はくず粉の中でも特に良質な「吉野本葛」と呼ばれています。

くず切りの作り方

【材料】
くず粉…40g
水…120㏄
黒みつ…お好み
【作り方】
1.くず粉を水でよく溶かし、ふるにかけてこします。
2.大きめの鍋に湯をわかし、1のくずをといたものを水でぬらした金属製の容器に適量に薄く流します。その器をペンチなどではさみながら湯の上にしばらく浮かせて固まるまで待ちます。
3.完全に固まったらそのまま湯に浸けます。10秒ほどして透明になったら湯からあげて冷水に取ります。
4.冷水に入れたら角からゆっくり破れないようにはがします。好みの幅にカットして器に盛って黒みつをかければできあがり。

熱湯につけたら全体が完全に透明になるまで待ちましょう。熱いので軍手とペンチを使うと良いでしょう。ぷるんと涼しげな葛切りはしっかり冷やして食べることで涼を感じられます。

体内に吸収されやすいくずでんぷんは温かくして食べることでからだを温める効果があります。風邪をひいた時などにくず粉を少量のぬるま湯で溶いて熱湯を注いでくず湯にして飲むと効果があります。ゆずや蜂蜜を入れるとより効果的です。

また、日本食などであんにとろみをつけるのにも利用され、そのなめらかで上品なとろみは幅広く料理に利用されています。