スーパーで一年中手に入る野菜のひとつにさつまいもがあります。一番の旬は秋でこの季節になるとさつまいもを使った和菓子がお店に並びます。甘くてほっくりしたさつまいもは和菓子にとってもとても使いやすく相性の良い材料です。今回はさつまいもを使った和菓子をご紹介します。

秋においしいさつまいも

私たちが食べているのはヒルガオ科の植物の根の部分が肥大したものです。さつまいもの別名、甘藷(かんしょ)と呼ばれているだけあって芋の中でも甘いのが特徴です。この甘さはさつまいも本来のものでもありますが、実は取れたてよりしばらく置いた方が甘くおいしくなります。収穫してから2~3カ月貯蔵することで寒さに耐えたさつまいもは甘さをため込むことで甘くなります。これはかぼちゃなどほかの野菜も同様です。

中米原産、中国から伝わったさつまいも

さつまいもはもともと中米原産ですが、日本には中国を通じて伝わっててきたとされます。琉球(沖縄)から食べが島、薩摩(鹿児島)、そして本土へと広まっていきました。中国から伝わってきた当初は唐(とう)から伝わった芋ということで唐いもと呼ばれていました。

いまでも沖縄の紅芋や種子島の安納芋をはじめ鹿児島でもさつまいもが盛んに作られているのがわかります。

さつまいもを使った和菓子いろいろ

さつまいもを使った和菓子はたくさんありますが、有名な所だといもきんつばや芋ようかんがあります。地方菓子に目を向けるとコロコロと角切りにしたさつまいもが入った東海地方の鬼まんじゅうや蒸して輪切りにしたさつまいもとあんを包んだ熊本のいきなりだんごなどがあります。

甘くほっくりしたおいしさはもちろんのこと安価に安定して手に入るさつまいもは様々な和菓子に使われています。

鬼まんじゅうの作り方

【材料】
さつまいも…1本(200g)
砂糖…50g
水…大さじ2
塩…ふたつまみ
小麦粉…80g
クッキングシート…適量
【作り方】
1.さつまいもは5㎜から1㎝ほどの角切りにします。皮はお好みで剥いても残しても構いません。水に浸けてアクを抜きます。
2.さつまいもの水分を切り、ボウルに入れて砂糖をまぶしてかき混ぜ、15分以上置きます。
3.2に水、小麦粉を入れて全体がしっかりまとまるようにゴムべらで混ぜます。
4.クッキングシートか蒸せるペーパーカップに饅頭位のサイズに生地を乗せて蒸気が上がった蒸し器で20分程蒸して出来上がりです。

いきなりだんごの作り方

【材料】
薄力粉…150g
塩…小さじ2/3
水…80ml
さつまいも(直径6cmのもの)…8cm
市販のこしあん(好みで粒あん)…大さじ3

【作り方】
1.ボールに薄力粉をふるい入れて塩も加えてさっと混ぜます。水を少しずつ入れて混ぜ、全体をまとめます。
2.10分ほどこねて生地の表面がなめらかになったら、堅く絞ったぬれぶきんをかけて室温に20~30分寝かせます。
3.さつまいもはよく洗って皮つきのまま厚さ1cmの輪切りにして水にさらしてアクを抜きます。あんは8等分にして丸めます。
4.さつまいもの水けを拭いてあんをのせてかるく押さえます。生地を8等分にして丸め、手で丸くのばすして包み、裏返して生地をつまんで閉ます。閉じ目を下にし、オーブン用シートにのせて蒸気が上がった蒸し器で20~25分竹串がすっと通るまで蒸したら出上がりです。

かりんとうの作り方

黒糖が絡んだ香ばしい食感のかりんとうはおやつやお茶うけにぴったりの人気の和菓子です。今は和菓子として浸透していますが実はもとは中国から伝わったお菓子なんです。今回はかりっと香ばしいかりんとうの歴史や詳しい作り方についてご紹介します。

かりんとうはもともと奈良時代に遣唐使が仏教とともに日本に持ち帰った唐菓子というものがもとになっています。穀物の粉に塩や甘葛煎(あまずらせん)というツルから取った樹液を煮詰めて作った甘味料を入れて練り、餅のようにします。これを油で揚げたお菓子のことを唐菓子と呼んでいました。

奈良時代当時は日本に砂糖は伝わっておらず、甘葛煎(あまずらせん)を使っていたようです。その後、時は流れて明治から江戸時代に小麦を練って棒状にして揚げたものに黒糖をからめたお菓子が売られて大ヒットしました。いまのかりとうの原点といわれています。

黒砂糖を使った理由として精製された白い砂糖はとても高級品だったことが挙げられます。

かりんとうの定義として「形、色関係なく、小麦粉や穀物の粉水で捏ねて油あげ処理したもの」とされています。したがって、油で揚げていないものは基本的にはかりんとうとは呼ばないようです。

かりんとうのいろいろ

市販されているかりんとうにはたくさんの種類があります。ベーシックな小麦の生地に抹茶などで色や風味を付けたものや黒ごまやきな粉などをまぶして味に変化をつけたものなど様々です。

自宅で作る場合、生地から捏ねて作ることもできますが手軽なものをあげてかりんとうを作ることができます。それがうどんやそばです。うどんは小麦を、そばはそば粉を水でこねて作った麺類で、いずれも穀物を使っていますので揚げればかりんとうになるんです。お蕎麦屋さんで供されるそばかりんとうは人気の箸休めにもなっています。

かりんとうまんじゅう

かりんとうの派生菓子として有名なのがかりんとうまんじゅうです。やわらかいかりんとう生地で甘さ控えめのあんを包み、揚げて作ったおまんじゅうです。2001年に福島県の和菓子屋さんがかりんとうまんじゅうという名前で売り出して人気を博しました。

生地に黒糖を練り込んで独特の揚げ方で揚げることで外はカリッと中はふんわりとしたおいしさです。

かりんとうの作り方

【材料】
うどん(生麺)…適量
そば(生麺)…適量
黒糖…大さじ3
水…大さじ3
片栗粉…適量
揚げ油…適量

【作り方】
1.うどん(もしくはそば)を適当な長さにカットします。
2.小さな鍋に水と黒糖を入れて煮溶かします。軽く煮詰めます。
3.揚げ油を170度に熱して片栗粉を全体にまぶしたうどんを揚げます。きつね色にカリッとなるまで揚げましょう。そばは細く焦げやすいので注意してください。
4.揚げてしっかり油を切った3を2のみつに入れてしっかりからめます。バットなどに広げてみつが乾くまで完全に冷まして出来上がりです。

仕上がったかりんとうにきなこやすり黒ごまをまぶしてフレーバーのアレンジを楽しみましょう。ほんのすこし塩をまぶすと甘さの中に塩気があってひと味違ったかりんとうができます。

ほかにも細かいざらめと七味をまぶしたピリ辛かりんとうなどはおつまみにもぴったりです。