「生あん」は一般にあまり聞きなれない言葉ですがあんを炊くのには欠かせないものなんです。小豆を柔らかく茹でて砂糖を入れて炊くのですが砂糖を入れる前の柔らかくなった小豆のことを指します。生あんは時間はかかりますがおいしいあん作りには欠かせない工程。難しい材料は必要ありません。ぜひチャレンジしてみましょう。

生あんとは?

生あんとは乾燥した小豆を水から茹で、柔らかく煮て水分を絞ったものを指します。これに砂糖を入れて火にかけて練ることであんができます。煮て水分を切っただけのものを粒生あん(生あん)、さらにそれを潰して何度も漉して滑らかな小豆の中の部分だけを残したものをこし生あんと言います。

小豆は煮えるのに1時間から1時間半ほどかかりますがじっくり煮ることで豆にしっかり火が入り、おいしいあんを作ることができます。この時点では砂糖が入っていないので甘くありませんが一口にあんと言っても砂糖の割合や練ったときの水分の残し具合で全く違った味になります。日ごろ気にせず食べている和菓子も種類によってあんの甘さや水分を調整して作られているのです。

小豆選びのポイントは艶と豆の大きさ

あんの材料で最も重要なのは小豆選びです。小豆は10月~2月が旬で新物が出回りますが乾物なので基本的に一年中手に入れることができます。よい小豆は豆の大きさが揃って艶があり、ふっくらとしています。表皮の紅色も濃いものを選びましょう。

わざわざ買わなくても家に余った小豆がある、という方もいらっしゃるでしょう。しかし乾物であるがゆえ余ったものを無防備に保存してしまいがちですが小豆を保存する上で一番重要なのは虫が付かないようにすることです。アズキゾウムシという小豆が大好きな虫は一度付いてしまうと小豆に穴をあけて中に卵を産みつけてしまいます。ぱっと見は虫が付いたのがわかりませんが卵が孵化して成虫になると小豆からでできます。

虫が付くのを防ぐには密閉容器に入れて風通しの良い涼しいところで保管すること。きれいに洗ったペットボトルに入れて冷蔵庫で保管するのもいいでしょう。ただし古くなった豆は煮えにくく、おいしいあんができません。なるべく新しい小豆を使いましょう。

生あんの作り方

【材料】
小豆…200g

【道具】

木べら
ざる

【作り方】
1.鍋に小豆としっかりかぶるくらいの水を入れて火にかけます。目安は1.5リットル。強めの中火で30分程煮ます。一度ざるにあけ、茹で汁を全て捨てます。(渋抜き)
2. 小豆を鍋に戻して再び水を入れます。強火にかけて煮立ってきたらごくごく弱火にします。40~50分じっくり茹でます。
3. 豆が割れて指で軽くつまんでつぶれるくらいになるまでしっかり茹でます。全体がこの状態になったら蛇口から細く出した水を静かに注ぎます。鍋の中がすっかり水になるまで続けます。
4. 3でしっかり豆が冷えて皮が引き締まりました。ざるにあけて自然に水を切ります。さらしに包んで軽く絞ります。これで生あんの出来上がりです。

生あん作りのポイント

渋抜きは小豆本来の渋みや雑味を取り除く作業です。これをしないとあんになったときにも雑味が残ってしまいます。ゆであがった小豆を熱いままざるにあけるとまだ柔らかいので必要以上に形が崩れてしまいます。水を少しずつ入れてしっかり冷やし、豆の皮を引き締めましょう。

自宅で生あんを作る場合、最後の水分を切る工程は手絞りになります。和菓子屋さんでは機械で絞るので水分が少なく、逆に手絞りの場合は水分が多く残った状態になります。機械絞りと手絞りの生あんでは砂糖の分量が違ってきます。生あんからあんを炊く場合は砂糖の分量にも注意しましょう。