まだ冷蔵庫のような電化製品が無い時代では、氷を保存するのに「氷室」と呼ばれる涼しい貯蔵庫を使っていました。そこは山の中の特別涼しい場所に設置し、草や茅で覆い冷気を閉じ込めて使ったり、地下に穴を掘って天然の氷を保存することに使われてきました。
この記事では、そんな氷室の中にある氷に見立てた涼し気な和菓子「水無月」の作り方をご紹介いたします。

庶民にはとても手の届かないもの

昔は旧暦の6月1日のことを「氷室の節句」と呼び、冬からずっと氷室で貯蔵していた氷を朝廷や幕府のお偉いさんに振る舞う「氷の御調」という行事がありました。
それはもちろん庶民には縁の無いものでしたが、庶民はその間で水無月と呼ばれる氷に見立てたお菓子で気分だけでも涼を取り、邪気を払おうとしました。
今でも氷のような透明感のある物や、繊細で清々しい涼しさを演出するお菓子は氷室と名付けられることも多いです。
そして京都では夏の厄除けとして水無月を食べることがあります。これは1年の折り返しにあたる6月30日に食べるもので、この半年間の穢れや罪を祓い、これからの半年間の無病息災を願います。
そんな水無月も家で簡単に作ることができますので、その作り方をご紹介いたします。

材料と作り方

水無月はういろうにあずきをのせた三角形の和菓子です。これを作るのに必要な材料は「薄力粉100g・葛粉20g・砂糖70g・水280cc・甘納豆100g」です。
今回は小豆ではなく甘納豆を使った水無月を作ってみましょう。まず薄力粉・葛粉・砂糖をふるいにかけてだまの無いようにしてください。このふるいや濾す作業が食感を作るうえで大事になります。
ボウルに粉を全てふるえたら、そこに水を少しずつ加え流れ混ぜましょう。しっかり混ざっても2~3回は濾し器などで濾してください。
次にできた生地を30gほど残して流しかんに流し込み、蒸し器に入れて12~15分蒸します。
時間になったら一度かんを取り出して、甘納豆を上に隙間を作らないように乗せていきましょう。甘納豆を全て乗せたら、先ほど残した30gの生地を上に流します。そして蒸し器に戻して再び10分ほど蒸します。
蒸した後、しっかり表面が固まってれば完成となります。三角に切っていただいてください。
蒸し器が無い方はレンジでも作ることができます。タッパーにラップをしき生地を流し込み、最初の蒸す工程は600Wで3分ほど加熱して、甘納豆と残りの生地をのせたらさらに1分ほど加熱してください。
固まってないようでしたら30秒ほど加熱してみてください。粗熱が取れたら冷蔵庫で保管しましょう。
甘納豆ではなく従来の小豆を使う場合もこれと同じ方法なので、2種類同時に試してみるのも良いかもしれませんね。
甘納豆以外でも、例えば生地に抹茶を加えると、色は変わりますが美味しくいただけると思いますので是非チャレンジしてみてください。

さいごに

6月30日に食べる和菓子、水無月についてをご紹介いたしました。
京都にお住まいの方が必ず食べられているのかはわかりませんが、恐らくこの和菓子の存在を知らない方は多いと思いますので、是非手作り水無月を多くの人に振る舞っていただきたいです。