季節を楽しむ和菓子は色々ありますが、練り切りはその代表ともいえる和菓子です。和菓子は水分量によって「生菓子」「半生菓子」「干菓子」と種類分けされますが、練り切りは「生菓子」に分類されます。また、練り切りは生菓子の中でも「上生菓子」という上等で高級な生菓子に分類されます。上生菓子は季節を表現した草花や鳥を匠に表現したものです。

練り切りとは

練り切りとは、白あんにつなぎの粉を混ぜて練ったものです。つなぎの粉を入れることで細工がしやすくなります。この練った餡を練り切りと呼び、この餡に様々な色をつけて形をつくり上げます。

白あんは本来ならば白小豆を使って作られるのが上生菓子に種類分けされる所以でした。しかし白小豆は生産量が限られている貴重な食材であるため、手亡(てぼう)とよばれる白いんげん豆を使うことが主流ともなってきています。また、つなぎの粉は地方によって様々で、関東では求肥(ぎゅうひ)、関西では小麦粉が使われることが多いです。

餡をまとめてきれいに色が染まったら細工を施します。練り切りの細工でぼかしを入れることが職人技のひつつですが、真ん中をぼかす方法、外側をぼかす方法とあり、職人技が光る部分です。ひとつひとつ職人さんが作る練り切りは、色とりどりで食べるのがもったいないくらいきれいです。

春の練り切り

春に作られる練り切りにはどのようなものがあるでしょうか。代表的な春の練り切りをご紹介します。

「桜」 いわずとしれた春の象徴です。淡いピンク色の練り切りでぼかしを入れることでより優しい桜となります。桜の形をしたものだけでなく、食用桜を添えたものや桜の形をした刻印の押したものもあります。

「うぐいす」 春の訪れを告げる鳥であるうぐいすを形どった愛らしい練り切りです。桜の練り切りと並べて置くことでピンクとうぐいす色の絶妙な色のバランスを導き出してくれます。

夏の練り切り

練り切りは餡で出来ていますので、涼しげな表現をするのが少し難しいところではありますが、代表的な夏の練り切りをご紹介します。

「朝顔」 夏の朝を彩ってくれる朝顔はきれいな色で表現する練り切りにはぴったりです。梅雨時期には紫陽花だったりと、春~夏は綺麗な花を楽しめる時期ですね。

「すいか」 すいかもよく夏の練り切りとして登場します。すいかを切った状態で赤と種の黒を際立たせたすいかは夏の風物詩として涼しげな表情を見せてくれる練り切りとなります。

秋の練り切り

秋は紅葉の季節です。春や夏とは違った色どりが表現されます。代表的な秋の練り切りをご紹介します。

「もみじ」 紅葉といえばもみじです。紅葉と書いてもみじと読むほどです。まだ緑がかったもみじと色づいた赤いもみじのグラデーションを使って、季節の移り変わりを表現したものもあります。

「かぼちゃ」 最近では、ハロウィンのイベントを行うところも増えてきたこともあり、秋と言えばかぼちゃの印象がより一層根付いてきています。ハロウィンを意識してお化けの顔をした練り切りもよくみかけて可愛らしいです。

冬の練り切り

冬は自然界での彩りはあまりありませんが、それでも冬を表現できるのが練り切りです。代表的な冬の練り切りをご紹介します。

「白うさぎ」 白うさぎが冬ということではありませんが、その白い様子が冬の雪を連想させることから、冬の練り切りで白うさぎが使われることもあります。

「梅」 梅は春の花ですが、梅の花は冬の終わりを告げる花でもあります。暦の上では2月はもう春ですので、寒い中でも春の訪れが待ち遠しい姿が目に浮かびます。

練り切りの種類は無限大です。同じ桜でも職人ひとりひとりによって違う桜が表現されます。また、練り切りは季節を表現するだけでなく、遊び心を持ったキャラクターなども作られることもあります。上生菓子だからといって決して敷居が高い食べ物ではありませんので、色んな練り切りを目で見て、そして食して楽しんでみましょう。

和菓子の中でも人気のある生菓子

和菓子にもその中で分類分けされており、生菓子や干菓子、半生菓子などがあります。生菓子に分類されるお菓子は、饅頭や餅を使った和菓子が一般的なものとなります。生菓子の中でも比較的手軽に作ることのできるわらびもちと、生菓子の基本的な情報についてをご紹介します。
洋菓子もそうなのですが、和菓子は水分含有量が30%以上のものが生菓子と呼ばれます。10%~30%のものは半生菓子で、10%以下のものは干菓子と一般的には呼ばれます。
生菓子と半生菓子の主な製品は似ていますが、半生菓子と生菓子を日常生活で特別使い分ける必要は無いと思いますので、あまりこだわらくても良いと思います。干菓子は主に固いものが多く、お煎餅やあられなどが当てはまります。
水分が多く含まれているお菓子は洋菓子が多いのですが、参考までに、ゼリーの水分含有量は約80%、ババロアは約65%で和菓子の中でも水分が多く含まれているものは約55%のういろうです。羊羹やカステラは30%前後なのでどちらかに決めることは難しいのです。
食品衛生法ではもっと細かく決まりごとが定められており、生菓子と呼ぶものは「出来上がり直後において、水分を40%以上含むもの」とされています。
和菓子の中でも、見た目のバリエーションが豊富で大変人気のある「練り切り」も水分が30%前後なためほとんど生菓子に分類されるのですが、高級な材料を多く使い日本の四季や植物を表現してより美しく魅せた和菓子の事を「上生菓子」と呼びます。これは主に祝儀で使われることが多いですね。

生菓子であるわらびもちの作り方

夏でも冬でも美味しく食べられる、いちごを使ったわらびもちの作り方をご紹介いたします。

材料

・わらびもち粉30g

・水 120ml・ゆであずき(あんこ)80g

・きなこ

・いちご

ゆであずきは缶のものでも大丈夫ですのでその場合は茹でる必要はありません。
きなこは市販の物を使うと楽に作ることができます。このレシピは1~2人分で、大福二つ程度の大きさを作ることができますので、いちごも二つあれば良いでしょう。
まずゆであずきを取り出して丸っぽい形にしたら、てっぺんにいちごを乗せましょう。この時いちごを半分に切ると食べやすくなります。
次はわらび餅を作るために、鍋にわらびもち粉と水を入れて少し弱めの中火で透明になるまで木べらを使い混ぜてください。
ラップにきなこをふっておき、そこに透明になったわらびもちを流して広げましょう。そこまでできたら、少し熱いですが先ほどのあんこをいちごが下にくるようにのせてラップごと包んでください。
少し固まったと思えば、あとは慎重にラップから取り外し、常温で冷ませば完成です。
つぶあんを使うとべしゃっとしてしまうので作るのが難しいため、こしあんの方が初心者の方でもより楽に作ることができます。
いちご大福と言えば冬にぴったりの和菓子ですが、わらびもちを使うと涼しげで夏でも美味しくいただけますね。

さいごに

実は練り切りも特別形を整えるものでなければ難しいものではなく、初心者の方でも簡単に作れるものも多くあるのです。どちらかというと料理の腕よりセンスの問題かもしれません。生菓子というと練り切りのような難しいものに思えてしまいますが、簡単に作れる生菓子もたくさんあるので興味のある方は是非もっと作ってみてください。