美味しい和菓子はやはり日本茶と一緒に味わいたいものですが、お茶がいまひとつ美味しくない時は、せっかくのお菓子の味も台無しになってしまいます。お菓子を愉しく頂くためにも、美味しいお茶の淹れ方をマスターしておきたいものです。
抹茶、煎茶、番茶、玄米茶など、日本茶にはいろいろな種類がありますが、お茶を美味しく淹れるコツは、お茶の種類に合った淹れ方をすることです。特に煎茶や玉露は上手に淹れないとせっかくの風味が生かせません。大切なのは茶葉と湯の量のバランス、そして湯の温度と時間です。
ここでは、家庭で親しまれている煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露の美味しい淹れ方を御紹介します。

煎茶の特徴と美味しい淹れ方

煎茶は最も生産量が多く、日本茶を代表するお茶です。葉に厚みがあり、甘みと渋みのバランスが良く、香り高いお茶でもあります。
葉を摘む時期で一番茶、二番茶、三番茶に分けられ、4月下旬から5月にかけて摘む一番茶が上級品とされます。
摘んだお茶は発酵を止めるためにすぐに蒸されます。お茶の葉は発酵するにつれ、緑色から茶褐色に変化し、風味も変わってしまいます。蒸された葉はよくもまれてから乾燥されます。この過程で葉の成分が抽出されやすくなります。
煎茶を淹れる時は甘みと香りを生かすため熱湯を避け、70~80℃に冷ました湯を使います。量は茶葉一人当たりティースプーン1杯(約2グラム)に湯を60〜80ccを目安に、お好みで加減します。湯を注ぎ、蓋をして2分ほどおいてから最後の一滴まで注ぎます。二煎めからは渋みが強いので熱湯を使い、短時間で淹れます。
どんな和菓子にも会う煎茶は、やや小ぶりなお茶碗がおすすめです。

番茶・ほうじ茶の特徴と美味しい淹れ方

番茶は煎茶用の葉を摘んだあとの固い葉や、選別で取り除かれた葉などで作ります。煎茶に比べて、蒸し時間や乾燥時間が長く、渋みが少ないのが特徴です。
ほうじ茶は番茶を強火でほうじたものです。番茶や古くなった煎茶を、油をひかないフライパンなどでほうじるだけで家庭でも簡単に作れます。番茶同様、渋みが少なくさっぱりした風味があります。
渋みの少ない番茶やほうじ茶は、香ばしさを生かしてたっぷりの熱湯で、短時間で淹れます。一人当たりティースプーン1杯強、熱湯150ccで30秒を目安にしましょう。一般には香りの良い一煎目だけを頂きます。
熱い番茶やほうじ茶は厚手の茶碗でたっぷりと頂きましょう。

玉露の特徴と美味しい淹れ方

玉露は緑茶の中でも最高級品のひとつです。煎茶などの普通の緑茶との大きな違いは栽培方法にあります。
玉露用のお茶の木は、充分に肥料を与えられ、葉を摘む2~3週間前から覆いがかぶせられます。覆いで日光をさえぎると、茶葉の成長は妨げられますが、逆に根から吸収した糖分が葉に残ることになり、鮮やかな緑色の、甘みの強いお茶になります。
玉露は低い温度のお湯で時間をかけて淹れた方が、より甘みが引き出されます。一人当たり茶葉ティースプーン1杯強に、湯冷ましなどで冷ましたお湯50~60℃で20~30ccが目安です。時間は一煎目が2~3分間、二煎目は熱い湯を使って1分くらいで茶碗に注ぎます。
香りと甘みが凝縮された玉露は、小さな茶碗で少量頂くのが良いでしょう。