関東には、歴史ある老舗の銘菓から、洋菓子の素材を取り入れた新しいスタイルの和菓子まで、古より常に情報を発信し続けてきた関東に相応しい銘菓が揃っています。
そのいくつかを御紹介します。

茨城県で人気の和菓子

水戸の梅(水戸市・亀印本舗他)

水戸藩第九代藩主・徳川斉昭が創設した偕楽園の梅林に因み、茨城には梅を使った和菓子や梅をモチーフにした和菓子が数多くあります。水戸の梅は明治時代の常磐線水戸・東京間開通の頃にお土産品として誕生しました。外観を丸い梅の実に見立て、求肥入りの白餡(または小豆のこしあん)を蜜漬けの赤紫蘇の葉で包んだものです。梅まつりのシーズンには観光客にも大変人気のあるお菓子です。

笠間の栗蒸し羊羹(笠間市・ふる川製菓)

全国一の栗の生産量を誇る茨城は栗菓子の種類も多く、ふる川製菓は上質な栗を栽培する笠間市の名店です。北海道小豆のこしあんで作った蒸し羊羹の上に栗がぎっしりと敷き詰められた贅沢な栗蒸し羊羹です。

栃木県で人気の和菓子

日乃輪(日光市・綿半)

綿半は天明7年(1787〜1788年)創業、日本で初めて練り羊羹を製造販売したとされる老舗和菓子店です。代表的な和菓子として、漉し餡を小麦粉の皮で包んで焼き上げた日乃輪があり、これは二代目が考案し、輪王寺御門跡法親王宮殿下に献上したところ大変喜ばれ、日光の「日」と輪王寺の「輪」を掛け合わせて日乃輪と呼ぶようになったとされています。

湯沢屋のまんじゅう〔元祖日光酒饅頭〕(日光市・湯沢屋)

湯沢屋は文化元年(1804年)創業。自家製の糀でもち米を発酵させた汁で小麦粉を練り、再び発酵させた生地で自家製の餡を包んで最終発酵させたものを強い蒸気で蒸し上げました。糀作りから延べ7日をかけて丁寧に作られた逸品です。

埼玉県で人気の和菓子

草加せんべい(草加市・志免屋他)

草加せんべいの発祥は江戸時代、米を団子状にして乾燥させた保存食を草加宿で販売したこととされています。初めは塩味でしたが、醤油の生産地である利根川沿岸(千葉県野田市)が近いことから、その後醤油で味付けをするようになったものが現在の草加せんべいの原型となりました。草加市には数多くの草加せんべい店があります。創業明治34年の志免屋は徹底した米選びと丹念な生地作り、そして昔ながらの手焼きの手法に拘り、本物の味を追求しています。志免屋をはじめ、草加せんべいの手焼き体験ができる店も何店かあります。

いも恋(菓匠右門・川越市)

さつまいもの産地として知られる川越市で人気の和菓子が、菓匠右門のいも恋です。山芋ともち粉で作った生地にさつまいもと粒あんを包んだ姿は熊本のいきなり団子に似ています。「彩の国認定優良ブランド品」としても認定され、誰からも愛される優しい味のお菓子です。

群馬県で人気の和菓子

湯の花まんじゅう(渋川市・清芳亭他)

今では全国の温泉地で販売されている温泉まんじゅうですが、その発祥の地とされているのがこちらの伊香保温泉です。黒糖を使った薄皮の生地となめらかなこしあんで旅行客にも人気の逸品です。

焼きまんじゅう(前橋市・原嶋屋総本家他)

群馬県民のソウルフードと呼ばれる焼きまんじゅうは、あんこの入っていないまんじゅうで、串にさして味噌だれを絡めて焼きます。焼きまんじゅう発祥の店とも言われている原嶋屋総本家では、家庭で焼いて楽しめるお土産用も販売しています。

東京都で人気の和菓子

爾比久良(練馬区・和菓子大吾)

昭和天皇御訪米に際し、当時アメリカに和菓子職人として派遣されていた創業者が製作を依頼されて用意したお菓子が原型となっています。工場は埼玉県新座市にあり、新座一帯の古称である「にいくら」に因んで名付けられました。卵黄と白餡を程よく練り合わせた黄味羽二重時雨で上質の小豆餡と一粒栗を包んだ美しい和菓子は、手土産に大変喜ばれます。

雷おこし(台東区・常磐堂雷おこし本舗他)

雷おこしは米を蒸して餅にしたものを焙煎し、水飴や砂糖、落花生などを混ぜて練り固めたものです。雷おこしの名前は浅草寺雷門に由来し、日本人のみならず海外からの観光客にも人気の東京名物となっています。

千葉県で人気の和菓子

ぴーなっつ最中(成田市・なごみの米屋総本店)

ピーナッツの産地である千葉県では、明治時代創業のなごみの米屋のぴーなっつ最中が有名です。風味豊かなピーナッツの甘煮が練り込まれた餡を落花生の形の最中種に詰めた愛らしい和菓子です。

白牛酪餅(船橋市・菓匠白妙本店)

南房総市大井は徳川吉宗によって酪農が始められた日本酪農発祥の地であり、白牛酪という乳製品が献上されていました。船橋市に本店を構える白妙で、この白牛酪に因んだ和菓子として生み出されたのが白牛酪餅です。生乳や生クリームも使用した洋菓子の味わいも感じられる和菓子です。

神奈川県で人気の和菓子

黒糖どら焼き

横浜元町の香炉庵は、黒糖、果物、蜂蜜、ナッツなどの健康素材を使用した和菓子店です。沖縄産の黒糖を生地に練り込み北海道産の甘さ控えめの粒あんをたっぷり挟んだ黒糖どら焼きが看板商品です。

季節の上生菓子(鎌倉市・美鈴)

多くの和菓子店が並ぶ古都鎌倉で、鎌倉一とも謳われる和菓子店です。春は桜や鶯、夏は鮎、秋は栗や柿など、見た目にも楽しめる美しい和菓子が並びます。地元ではお茶会のお菓子としてもよく利用されています。