四国地方の銘菓といえば、愛媛県の一六タルトが有名ですが、他にもお土産に人気の和菓子がたくさんあります。
そのいくつかを御紹介します。

香川県で人気の和菓子

名物かまど(坂出市・名物かまど)
かつて天然塩を作るために使用されたかまどを模した坂出市で古くから愛されている銘菓です。厳選した手亡豆を使った黄味餡を、卵溶きの生地で包み、愛らしいかまどの形に焼き上げました。香川県下のデパートや駅や空港の売店でも購入可能です。

ぶどう餅(東かがわ市・巴堂他)
戦国時代、戦いの必勝祈願として武士に供した「戦力餅」が、やがて「武道餅」と呼ばれるようになったのが始まりです。漉し餡を薄皮で包んで蒸しただんごを串に刺した姿は葡萄の実にも似ていることからいつしか「ぶどう餅」と呼ばれるようになりました。昔も今も変わらず愛され続ける郷土菓子です。

愛媛県で人気の和菓子

一六タルト(松山市・一六本舗)
タルトは17世紀にポルトガルから長崎を経て、松山藩初代藩主であった松平定家により松山に伝わりました。そのポルトガル菓子はカステラでジャムを巻いたものでしたが、松山藩ではジャムの代わりに餡を用いて再現し、松山タルトに発展しました。明治時代創業の一六本舗の一六タルトは、県内で最もよく知られたタルトで、白いカステラ生地に、愛媛県産の柚子の果皮を加えた爽やかな風味の漉し餡が巻かれており、時代を超えて根強い人気を誇っています。

山田屋まんじゅう(松山市・山田屋まんじゅう)
慶応三年創業の老舗、山田屋まんじゅうのまんじゅうは、初代高辻元蔵が創案した製法が秘伝として代々受け継がれ、以来150年、現在では五代目がその味を今に伝えています。北海道十勝産の上質な小豆と上品な甘味の白双糖で練り上げられた漉し餡が、白い薄皮に包まれた姿は透き通るような薄紫色で、絶妙な喉越しと上品な甘さは地元愛媛のみならず、日本全国で愛されています。わずか22gの小さな一口まんじゅうの中に、昔ながらの秘伝の製法を惜しみなくつぎ込んだ松山を代表する銘菓です。

徳島県で人気の和菓子

阿波和三盆糖(板野郡・岡田製糖所他)
阿波和三盆糖とは、徳島と香川県の一部で現在も栽培されている竹糖と呼ばれる砂糖黍を原材料に作られる数少ない国内産の砂糖です。阿波和三盆糖とは「阿波の国」(徳島県)側で産した物を呼びます。戦前は一般の国内糖として多く作られていましたが、戦後外来の安価な精製糖が輸入されるにつれ生産業者が減少し、現在は主に和菓子用の砂糖として用いられています。高級和菓子の素材として人気のある阿波和三盆糖は、口に含めば淡雪のごとく溶け入り、隅々まで行き渡るすがすがしいほどの甘味と表され、そのままお茶請けとして頂けるほか、お茶請けに適した可愛い指先ほどの玉にまとめ紙に包んだもの、型押ししたものなどもあります。岡田製糖所では二百年前の製法をそのまま守り、今も自然の味を手作りしている徳島県で唯一の製糖所です。

小男鹿(徳島市・小男鹿本舗富士屋)
小男鹿は「さおしか」と読む、徳島県の銘菓です。小男鹿とは雄の鹿という意味で、明治天皇が詠まれた和歌に因んで名付けられました。、山芋とうるち米を練り上げてカステラのような形に蒸し上げたお菓子は、ふわっとした焼き菓子に見えますが、口に入れると驚くほどもっちりしっとりしています。この独特の食感は、一度食べると忘れられません。小男鹿のストライプの模様の表面をカットすると、ところどころにアクセントとして入っている小豆がまるで鹿の模様のようにも見えます。阿波和三盆糖を使った上品な甘さも好評で、徳島県の茶会などでは欠かせない140年の歴史を誇るお菓子です。

高知県で人気の和菓子

野根まんじゅう(安芸郡・浜口福月堂他)
野根まんじゅうは、高知市から120kmほど離れた野根という町で生まれた一口サイズの饅頭です。幕末の志士坂本龍馬や中岡慎太郎も野根を通過するたびに宿場の茶屋でこの名物饅頭を味わったとされる歴史ある銘菓です。北海道十勝小豆100%で炊き上げた自家製漉し餡を、純米酒でほんのり風味付けした生地で包んでふっくらと蒸しあげた口当たりの軽さが特徴です。明治維新、1868年創業の浜口福月堂が140年間守り続けた変わらぬ味は親子代々にわたりお茶請けとして親しまれています。
梅不し(高知市・菓匠西川屋老舗)
梅不しと書いてうめぼしと読むこの御菓子は、1688年創業の老舗菓子店である西川屋の代表銘菓です。土佐藩の山内一豊が愛した菓子とも言われています。求肥の中に梅に漬けた赤紫蘇の葉を入れ、周りに砂糖を眩した一口大の餅菓子で、平成5年には天皇皇后両陛下も御賞味されました。お茶席に用いられることが多いお菓子ですが、夏や冬でも風味が変わらないため、お土産にも適しています。