長年地元の人にも愛されてきた中国地方の銘菓のいくつかを御紹介します。

鳥取県で人気の和菓子

ふろしきまんじゅう(東伯郡・山本おたふく堂)
まんじゅうの出来上がりの形が、風呂敷の四隅を折ったような形になることから、この名が命名されました。阿波和三盆糖などの厳選素材と伝統の製法で作り上げられるふろしきまんじゅうは、鳥取県名物として、多くの人に愛されている和菓子です。

打吹公園だんご(倉吉市・石谷精華堂)
白餡、小豆餡、抹茶餡の三種の餡で包んだ餅を串に刺した、彩りも美しい鳥取県の銘菓です。1333年、後醍醐天皇を隠岐島より船上山にお迎えした名和長年公が甘茶団子をさしあげたという故事を伝え聞いた初代が考案、明治十三年に創業しました。餅よりも餡の分量の方が多いのが特徴です。

島根県で人気の和菓子

出雲三昧(松江市・桂月堂)
求肥の上に粒入りの羊羹、小豆を挽いて粉にしたもろこし粉を三段重ねにした上品な和菓子です。文化と歴史の面影が漂う松江の風土の中で専念して作られた「一子相伝」の手技を堪能できる風雅な趣のある銘菓です

路芝(松江市・風流堂)
路柴とは道ばたの草のことで、春先に草の上に積もった雪が溶けていくさまを表したお菓子といわれています。白ごま入りの求肥と緑色に色づけされた白餡を重ね、短冊に切ってひとひねりした美しい姿で、松江藩の菩提寺である月照寺のお茶菓子にも用いられる銘菓です。

岡山県で人気の和菓子

むらすずめ(倉敷市・橘香堂)
明治時代創業の初代が考案した逸品です。米粉で作る菓子が殆どであった時代にメリコン粉(小麦粉)や卵を使って作った菓子は画期的で、多くの注目を集めました。生地の表面にできる気泡で、稲穂に群がる雀を表現したことから命名されました。岡山土産として人気のお菓子ですが、一つずつ手焼きする伝統の技法は今も変りません。

きびだんご(岡山市・廣榮堂)
岡山の和菓子といえば、桃太郎で有名なきびだんごです。上質な餅米に砂糖と水あめを入れて練り上げ、風味づけにきびを加えたきびだんごは、安政三年の創業から一貫して変わらない本物の味です。ほんのり甘くどこか懐かしさを感じさせてくれる和菓子です。世界的な絵本作家、五味太郎氏デザインの桃太郎のパッケージも可愛くお土産にも喜ばれます。

広島県で人気の和菓子

もみじ饅頭(広島市・にしき堂他)
広島県の県花・県木のもみじを形どったお饅頭です。北海道十勝産の小豆と日浦山湧水の名水を使ったこしあんを、ふっくら焼き上げたカステラ生地で包んだもみじの形をしたカステラ饅頭で、全国的に人気のあるお菓子です。

はっさく大福(尾道市・はっさく屋他)
因島の名産であるはっさくを使った大福で、「瀬戸内しまなみ街道」の名物和菓子です。因島発祥の八朔の実を白餡とみかん餅で包んだ大福は、さっぱりとした甘さが特徴の爽やかな一品です。

山口県で人気の和菓子

山口外郎(山口市・御堀堂他)
山口市を代表する銘菓である山口外郎(やまぐちういろう)は、全国の殆どのういろうが米粉から作られるのに対し、主な材料はわらび粉です。そのため独特の食感と風味があります。昭和2年創業の老舗である御堀堂では、白外郎、黒外郎、抹茶外郎の三種があり、日持ちがするように真空パックされたものと、そうではない生外郎があります。日持ちはしませんが格別の美味しさの生外郎は、山口に行った際に是非出来立てを味わいたいものです。

がんね栗大福(下松市・ほうえい堂)
岩国市美和町に伝わる岸根(がんね)栗は、別の地域で丹波栗、坂上栗などと呼ばれていたもので、がんね栗大福はその栗の実の渋皮を少し残したことで栗本来の甘みや香りが楽しめるようになっています。小豆などを用いず、蒸した栗だけで練り上げた餡は、栗好きには堪らない美味しさです。