美しい和菓子と言えば季節を表現した色とりどりの和菓子がありますが、シンプルだからこそ美しい和菓子というのもあります。和菓子の美しさとは見た目だけではなく、和菓子の歴史や和菓子を作る人の気持ちがぎっしりと詰まった和菓子の存在感そのものなのかもしれません。

シンプルだからこそ美しい和菓子「羊羹」

シンプルな和菓子といえば羊羹です。羊羹は羊の羹(あつもの)と書きます。羹(あつもの)とは野菜や魚肉などを入れて作った熱いスープという意味です。 つまり、羊羹とは元々中国の羊のスープのことを言いました。その昔、この羊の羹が中国から日本に伝わってきた際に、宗教の影響で肉食を禁じていたため、植物性の材料に変えて作ったとされ、のちに砂糖の輸入や茶道の発展に伴って蒸し羊羹になったことが起源と言われています。また、羊の肝臓の形に似ている「羊肝こう(ようかんこう)」という蒸したお菓子が中国から日本に伝わってきた際に、「肝」と「羹」が混同され、羊羹と呼ばれるようになったともされています。

羊羹は家庭でも簡単にできるシンプルだからこそ美しい和菓子のひとつです。材料もスーパーで手に入る簡単なもので、寒天と餡子のハーモニーから産まれる羊羹独特の艶の美しさを身近に味わうことができますので、ぜひ一度ご家庭で作ってみてはいかがでしょうか。

<材料>
・粉寒天 2g
・こしあん 200g
・水 20g
・砂糖(できれば三温糖) 大さじ2
・塩 少々

<作り方>
1.寒天を火にかけて沸騰させて溶かします
2.1に砂糖を加えて煮溶かし、1~2分煮ます
3.火を止めてから、こしあんと塩を加えてなめらかになるまでよく混ぜます
4.粗熱が取れたら型に流し入れ、冷やし固めます
5.固まったら適当な大きさに切って完成です

羊羹は水分量によって柔らかさも変わってきますので、家庭で作る時はお好みに合わせた固さにしてもよいでしょう。

シンプルだからこそ美しい和菓子「寒氷」

寒氷(かんごおり)とは、寒天と砂糖などを煮て溶かして、練った後に固めて抜き型で抜いた和菓子です。着色したものや、表面に砂糖をまぶしたものもあります。和菓子は水分量によって生菓子、干菓子と分けられますが、この寒氷は干菓子に分類されたり生菓子と干菓子の間の半生菓子に分類されたりします。鮮やかな色よりも淡い色で着色して、型で季節のものを表現したものなどがあります。

寒氷は家庭でも簡単に作ることができ、多少日持ちのする和菓子ですので、ちょっとしたお土産にも喜ばれる和菓子です。柔らかいピンクで着色すれば春の花をイメージし、水色で着色すれば夏の海、オレンジで着色すれば秋の紅葉、白のままでは冬の雪と日本の四季も表現しやすいため、一年を通して楽しめる美しい和菓子です。

<材料>
・粉寒天 1g
・水 100g
・グラニュー糖 180g
・食用色素 適量

<作り方>
1.寒天を火にかけて沸騰させて溶かします
2.寒天が完全に溶けてからグラニュー糖を加え、再沸騰させて煮つめます
3.沸騰したらボウルにあけ、70℃になるまで冷まします
4.冷めたら混ぜて白く濁ってきたら着色をします
5.バットに流して半乾きになるまで置きます
6.バットから取り出して好きな型で抜きます
7.2~3日自然乾燥させて完成です

寒氷がきれいに固まるには温度の管理が大事ですので、温度計を使って作るとよいでしょう。型はクッキーのような大きさの型ではなく、ひとまわりふたまわりくらい小さめの型にすることでかわいらしい寒氷ならではのコロコロとして美しい感じを出すことができます。

まとめ

シンプルで美しい和菓子には器や菓子楊枝にもこだわってみるのもおすすめの食べ方です。器や菓子楊枝がシンプルな和菓子をより一層引き立ててくれるでしょう。美しい和菓子とは色鮮やかな和菓子だけではありません、シンプルな和菓子にこそ美しい和の心が詰まっていると言えるかもしれません。